2023年12月現在、Spring’24はリリースノートさえまだ発表されてないですが先日取得したプレリリース環境で主な新機能挙動を確認してみます。リリースノートが出ましたら注目機能は追記予定です。
ちなみにSpring24は下記のスケジュールでリリースまで向かうようです。
・2023/12/14:プレリリース組織のサインアップ開始
・2023/12/20:英語版リリースノートの公開
・2024/1/5:Sandboxプレビューインスタンスで有効化Sandbox準備期限
・2024/1/6:Sandboxプレビューの開始
・2024/2/11:本番リリース
画面フロー:繰り返し要素(ベータ)
今回の目玉機能の1つです。画面フローで新たに仲間入りした”繰り返し”コンポーネントを使い、今までプログラミング画面開発でしか実現できなかった入力枠を増減させる機能を簡単に作成できるようになりました。


詳細は下記の別記事で紹介、検証しています。
MFAがデフォルトで有効に
Spring’24本番リリースとはタイミングが少しずれますが、2024/4/8以降に作成された本番組織ではMFAがデフォルトで有効化されるようです。
ただし30日間の猶予期間があること、またはシステム管理者による一時的なMFA無効化も可能なことは今まで通りのようです。
2024年4月からMFAはデフォルトで有効となります
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=release-notes.rn_general_mfa_default.htm&release=248&type=5
ユーザアクセスポリシーの拡張インターフェース
Summer’23で登場したユーザアクセスポリシーです。今回も引き続きベータ版ですが、拡張インターフェースの画面が使用できるようになりました。
各ユーザの作成時や更新時に、設定しておいた条件に合致したユーザを自動で公開グループ、権限セット、キューなどに自動追加/除外できる機能です。
ユーザ管理設定から「Enhanced Interface for User Access Policies (Beta)」を有効化することで拡張インターフェースが使用できます。

ちなみにSummer’23時点で機能を紹介した記事はこちらから。出来ること、設定の流れは拡張インターフェースもこの記事と変わっていないようです。
有効化すると拡張インターフェースとして「新規ポリシー」を作成できます。

「Edit Criteria」からは従来通り操作対象ユーザとアクションを設定します。出来ることは拡張インターフェースでも従来の画面でも同じようですが、拡張インターフェースの方がより見やすい画面構成になっています。


動的フォームで親オブジェクトの項目を使用可能に
Lightningページ上で動的フォームの項目配置する際に、親オブジェクトの項目も配置できるようになりました。下記の例は取引先責任者レコードページへ取引先の取引先番号項目を配置するイメージです。
今までは取引先責任者へカスタム数式項目を作成し取引先番号項目を表示していましたが、それも不要になります。
リレーション項目には「<」が表示され、階層を辿ることが出来ます。所有者には「<」が表示されないため、辿れないリレーション項目もあるようです。

下記のように取引先内の取引先番号を、取引先責任者の詳細ページに配置することができました。

従来のページレイアウトではこうして階層を辿ることはできないため、近い将来にページレイアウト廃止と動的フォームの更なる充実化があるかもしれないと感じます。
現状では親オブジェクトの項目なのかがユーザからは見分けられないのでセクション分けするなど工夫が必要になりそうです。
下記のように項目をクリックするとプロパティとしてLightningページ上で確認できる機能が今回新機能で追加されていますが、一般ユーザには見分けがつきません。

複数選択リストでのアラート表示
かねてから使用には癖があった複数選択リストですが、カスタム項目作成時にアラートが出るようになりました。注意点を理解した上で使用するよう改めて周知されるようです。上記で確認した画面フローの「繰り返し」コンポーネントが登場したため、複数選択リストに代わって「繰り返し」コンポーネントを推していくという可能性もありそうです。現時点では代替というにはまだまだですが。

複数選択リスト型で項目を作成しようとすると下記の注意が表示されます。
「こちら」という部分を押すと選択リストの制限ページ へ遷移します。

フロー:要素編集画面がポップアップから画面右の固定表示へ変更
前回のメジャーアップデートであるWinter’24にて一部の要素では画面右の固定表示に変更がありました。
固定表示となることで作成途中であったりエラーが出る状態でも一時保存ができるようになり便利です。
Winter’24時点では下記記事で確認していた通り、割り当て/分岐/ループ/アクションなどの一部要素は引き続きポップアップ表示のままでした。
今回のメジャーアップデートで割り当て/分岐/ループも画面右の固定表示に変更になっています。
・割り当て

・決定

・ループ

アクションは未だポップアップ表示のままでした。
・アクション

Mobileアプリ:動的アクションに対応(ベータ)
Summer’23でベータ版として、Winter’24でGAとなった動的フォームに続き、今回から動的アクションもモバイルに対応するようです。詳細レコード右上に表示される「編集」「削除」などのボタンを一定の条件時にのみ表示できるなど柔軟な機能で、デスクトップではすでに使用が可能でした。
商談レコードでフェーズがクローズとなっている場合は削除ボタンを表示しない、などがモバイルでも実現できそうです。下記で検証しました。
メールアラートを使用しているフローを特定可能に
フロー内でメールアラートを使用していると、メールアラート内に新設された「Flows Using This Email Alert」セクションでフローが表示されるようになりました。

ちなみにこの例ではフロー側でメールアラートをこのように使用しています。


レポート、ダッシュボードの新機能
今回のメジャーアップデートではレポート、ダッシュボードの新機能も豊作です。特にSummary Filterでは集計値に対するフィルターが可能になります。別記事で紹介しています。
