2023年2月のメジャーアップデートであるSpirng’23での主な新機能を確認しました。
ユーザから問合せが来そうなUIの変更やシステム管理者に嬉しい便利機能など、押さえておきたい機能が多そうです。
フロー新機能は既に記事にまとめているので、今回はフロー以外の紹介です。
活動コンポーネントのアイコン化
ユーザの目に付きやすい変更点はまずこれです。
Lightningページに配置されている活動コンポーネントの見た目が大きく変わっています。
今まではグローバルアクション名が「新規行動」「新規Todo」「活動の記録」のようにタブ表示されていましたが、変更後はアイコンに変わっています。メール、通話、行動、Todo毎にアクションが集約されるので見た目がすっきりしました。
このアイコンを押すと画面下部にユーティリティーバーのように入力画面が表示されます。
今までの見た目に戻したい場合はLightningページで活動コンポーネントを選択後に「タブ付き活動ビューを使用」とすることが可能です。
項目作成時に権限セットで項目レベルセキュリティ設定(ベータ)
最近Salesforce界隈を賑わせたプロファイル管理から権限セット管理への移行の流れ※が、早くも出始めています。
※Permissions Updates | Learn MOAR Spring ’23
ベータ版ながら、カスタム項目作成時のいつもの流れにあるプロファイルへのアクセス権(参照のみ、参照編集など)付与画面を権限セットへのアクセス権付与画面に切り替えることができます。
事前に[設定]-[ユーザ管理設定]で「項目作成時の権限セットの項目レベルセキュリティ (ベータ)」を有効化しておきます。
有効化するとカスタム項目作成時に権限セットに対するアクセス権付与画面になります。「オブジェクト権限を持つ権限セット」にチェックを入れることで権限セットを絞りこみも可能です。
PardotからAccount Engagementへ
アプリケーションランチャーをはじめ、「Pardot」記載があった箇所はそれぞれ「Account Engagement」へ表記変更されています。
Pardotが見つからない、消えたなどと思うユーザは多いかもしれません。
活動項目履歴管理
こちらは地味にうれしい機能です。項目の値が更新された際に誰がいつどの値からどの値へ変更したかを記録できる機能ですが、今までは活動(行動とTodo)で使用できませんでした。
これからは各オブジェクトで最大6項目まで履歴を取ることが出来ます。
検索マネージャ
[設定] – [検索マネージャ] にて設定できます。
Summer’22にて新登場した際には各オブジェクト項目が組織で検索可能であるかを確認する機能だったようですが、今回ベータ版としてプロファイル毎に検索可能、検索不可をこの画面から設定できるようになったようです。
レポート:現在のユーザの参照
メールテンプレートやフローで使用できた$User.Idがレポートでも使用できるようになりました。レポートの検索条件でユーザ参照項目を選択すると”カスタム値を使用”が新登場していることが分かります。これをクリックすると$Userを選択できます。
$Userはレポートを表示しているユーザという意味ですので、レポート表示するユーザによってレポートを動的にフィルターすることができるということですね。リストビューで「私の取引先」を表示するのと同じような動的表示になりそうです。しかも「私の~」リストビューは所有者項目にしか適用されませんが、このレポート機能では作成者やユーザカスタム参照項目でも使用できるので良いですね。
レポート:項目編集を有効化
1年ほど前からリリースされてるレポート上でのインライン編集ですが、今後はレポート実行画面右上に表示される「項目編集を有効化」ボタンを押さないとインライン編集できない仕組みになるようです。
こうすることでデフォルトではインライン編集が無効になっているためレポートの読み込みが早くなりパフォーマンス向上に繋がります。
また、Classicでのレポート機能すべてがLightningExperienceでも使用できるようになったためLightningExperience側のレポート編集時に選択できた「編集(Salesforce Classic)」ボタンも廃止されています。(下記キャプチャはSpirng’23リリース前の古い画面)
拡張Lightningダッシュボード(ベータ版、Unlimited Editionのみ)
Unlimited Editionのみですが、下記更新があります。特に2点目はユーザにインパクトが大きい嬉しい機能などで今後別エディションへも適用が期待されます。
・ダッシュボード上部に配置できる検索条件が3つから5つに増えます。
・今まではグラフか表のみが配置可能でしたが、今後は画像ウィジェットとリッチテキストウィジェットも配置できるようになります。
ロゴを画像配置してブランディングしたり、リッチテキストでグラフをセクション分けしたり応用が利ききそうですね。
動的関連リストで”すべて表示”
Lightningページの”動的関連リスト-1つ”はすでにリリースされていた機能ですが、「すべて表示」リンクが表示されるようになりました。最大2000件のレコードが表示されます。
リードとケースの動的フォーム
リードとケースでも動的フォームが使用できるようになりました。以前は標準オブジェクトでは取引先、個人取引先、取引先責任者、商談だけでした。
動的フォームを使用することで従来のページレイアウトではなくLightningページ上で表示する項目やその配置を指定できます。また項目ごとに表示条件を指定できるので、ページレイアウトに比べより柔軟なカスタマイズが可能です。
動的アクションがすべての標準オブジェクトで使用可能
動的アクションがすべての標準オブジェクトで使用可能になりました。今までは取引先、取引先責任者、リード、商談、ケースのみでした。
詳細ページ右上に表示されるボタン表示を従来はページレイアウトで制御していましたが、Lightningページで動的アクションを使用して制御することでボタン1つ1つの表示条件(フェーズ項目が見積となった場合にだけ承認申請ボタンを表示する等)を柔軟に設定できます。
性同一性項目と代名詞項目
性表現を尊重するため取引先責任者、リード、個人取引先で使用できる標準項目として”性同一性”と”代名詞”が追加されています。今までの標準選択リスト型と同様に選択値の変更や追加も可能です。
・性同一性(GenderIdentity):選択リスト型
・代名詞(Pronouns):選択リスト型