Salesforceとは直接関係ない記事なので番外編です。
プロジェクトマネジメント系の国際資格であるPMP(Project Mamagement Professional)を2023年に受験、なんとか一発合格できたので今後試験を受ける方のお役に立てればと記事にしました。
私はSalesforceのインプリパートナー企業でプロジェクトマネージャーとして従事していますが、アジャイルを体系立って学んだことはないという状態からのスタートでした。
35時間公式研修を完了してから、1か月間で集中して別途50時間ほど学習をしました。
独学でのモチベーション維持
私はATP(PMI認定の教育パートナー)各社が10万円~20万円で出している研修を使わず独力で進めました。その際に一番の敵と感じたのはモチベーションの低下です。
35時間公式研修を挫折せずに最後まで完了する、分からない言葉が出てきても地道に調べて知識定着化させる、模擬試験でどれくらいの正答率であれば実試験を受けて勝算があるか分からないが継続して学習を進める等。
その際にアメリカの掲示板型ソーシャルメディアである「Reddit」にかなり助けられました。
このPMP特化チャンネルでは1日に数十件以上の書き込みがあります。合格のために使った学習法、試験当日の流れ、模擬試験で回答根拠が分からない場合の解釈議論など。
試験合格に向けて頑張っているのは自分だけではないと認識できますし、何より最新の試験動向やPMIイズムの考え方などが無料で手に入ります。日本語圏ではこの投稿頻度、内容のWEBサイトはおそらくないです。すべて英語ですがChromeの翻訳機能などで問題なく理解できます。
使用したツールや書籍
合格に役立った順番で記載をしてみます。
①PMI公式書籍:アジャイル実務ガイド
②YouTube:I LOVE PM / プロジェクトマネジメント専門チャンネル
③公式WEB問題集:Study Hall
④書籍:PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応
⑤35時間研修:PMP Exam Prep Seminar – Complete Exam Coverage with 35 PDUs
⑥PMI公式書籍:PMBOK
それぞれ簡単に見ていきます。
①PMI公式書籍:アジャイル実務ガイド
PMPでもアジャイル問題比率が高まってきており、50%以上がアジャイルorハイブリッド(ウォーターフォール+アジャイル)と言われています。
日本企業では実際の業務で使用されることは未だ少ないと言われていることを加えると、「アジャイルを制する=PMPを制する」という考え方が非常に重要であることが分かります。
そういった前提の中でアジャイル実務ガイドはPMI公式書籍ですので、全受験者が必ず通読と理解をすべきものと言えます。
②YouTube:I LOVE PM / プロジェクトマネジメント専門チャンネル
①で紹介したアジャイル実務ガイドですが、アジャイル初心者には正直読み進めやすい内容ではありません。専門用語の説明が少ない、言葉足らずな部分があるなどが理由です。
そこで最初は「I LOVE PM / プロジェクトマネジメント専門チャンネル」でざっくりのイメージを付けることをオススメします。日本語でPMP受験された方の大半は1度は目にしているかと思いますが、日本語受験者にとってPMPバイブルと言っても過言でないです。(冗談抜きに)https://www.youtube.com/channel/UCFOjnLt9wrDwX7tP3F5hTig
特に見ておきたい動画を記載します。
●アジャイル系
・予測型・漸進型・反復型・アジャイルの違いをズバっと! 前半と後半
そもそもアジャイルとウォーターフォール(予測型)の違い、他にも漸進型・反復型という似た言葉との違いをイメージで分かりやすく説明があります。
【前半】
【後半】
・スクラム3つの役割
アジャイルに馴染みがない人はスクラムという名前も聞いたことがないかもしれません。ここで紹介されている「3つの役割、5つのイベント、3つの成果物」はPMP試験で頻出する言葉なので必ず押さえておきたいです。
●あるある問題系
PMPは丸暗記問題ではなくシチュエーション問題になってきている、と言われて久しいです。〇〇の問題が起きました、PMであるあなたならどうする?という問題が9割超出題されるので実際のイメージをここで付けましょう。
●PMP合格者インタビュー
生の声ほど試験に役立つものはありません。出題傾向や勉強方法などかなり参考になります。特に評判が良い第11回、13回を貼っておきますが全回見てほしいほど有益です。(受験時期が1年以上前だと出題傾向も変わっている可能性があるので注意)
③公式WEB問題集:Study Hall
PMP試験を主催しているのはPMIですが、このPMIが公式でWEB問題集を販売しています。それが「Study Hall」です。価格は少し高いですが、独学で進める場合は強力な味方です。
・Study Hallサイト
PMP問題集は巷にたくさんありますが、私が思うStudy Hallのメリットデメリットは下記です。
【メリット】全く同じ問題は出ませんが「実際の試験問題にかなり近い」、この点です。Study Hall内に模擬試験があるのですが、前述のRedditでは模擬試験での平均で70%取れれば高確率で合格できるレベルにあると噂されていました。実際にStudy Hallで勉強しPMP合格した私も同じ意見です。Study Hall模擬試験より実試験の方が少し簡単なので、本番の緊張を考えてもStudy Hallで70%取れれば自信をもって試験に臨める妥当なラインに思います。
ちなみにStudy Hallの模擬試験では各設問がEasy、Moderate、Difficult、Expertの4難易度のいずれかに設定されています。Expertはかなり難しいですが実試験には出ないと考えて良いです(こちらもReddit談)。Easy、Moderate、Difficultがそれぞれ1/3ずつ実試験に出るイメージで大きく外さないでしょう。
【デメリット】なぜその回答になるかの解説が不足している設問があります。設問によって解説の充足/不足の差があるため、PMBOKやアジャイル実務ガイドで理解を補う必要がある場合ありです。それでも公式が出している問題集、実試験にかなり近い設問という点でメリットが大きく上回ります。私はChatGPTに問題、設問を入力して解説を引き出したりもしました。
【価格】下記2種類あります。Essentialsでも十分ですが、更に気合を入れたい方はPlusもオススメです。私はPlusを使用しました。
・Study Hall Essentials:49ドルで3か月間使用できます、3か月間が過ぎれば再度49ドルが必要です。
・Study Hall Plus:79ドルで3か月間使用できます、3か月間が過ぎれば再度79ドルが必要です。
【2023年9月時点の比較表】
④書籍:PM教科書 PMP完全攻略テキスト PMBOKガイド第7版対応
PMPのベース書籍はPMBOKですが、ベース知識がない状態では正直頭に入ってきづらいです。その点上手くかみ砕いているPMP完全攻略テキストは、PMP学習の入口として最適かと思います。
著者の鈴木さんはPMP界隈で有名な方で、前述のYouTubeにも登場されています。
⑤35時間研修:PMP Exam Prep Seminar – Complete Exam Coverage with 35 PDUs
PMPの受験必須条件として35時間研修があります。ただでさえお金がかかるPMPなので安く抑えたいところ。そこでUdemyのWEB研修を使いましょう。WEB講義+ミニテストなので自分の好きな時に進められます。英語ですが日本語字幕機能で問題なく理解できます。
Udemyのセール期間ではかなり安くなり、私は1600円で購入しました。
合格率を高めるのであれば学習支援をしているATP(PMI認定の教育パートナー)各社が10万円~20万円で出している手厚い研修を利用するのが間違いないですが、独学で安く抑えたい方はUdemyで買うのがオススメです。
⑥PMI公式書籍:PMBOK
PMP試験のベースになる書籍ですがページ数が多い、初学者が理解しやすい表現が少ないという意味で通読するのは難易度が高いです。
ここまで紹介した書籍やYouTube、模擬試験などで分からない言葉があった際に辞書的に使うのが現実的ですし私はこのアプローチで問題なく合格できました。もちろん通読出来る人は合格にプラスになるはずです。
絶対に理解したい「PMIイズム」
PMP試験の最重要ワードと言ってない過言がない「PMIイズム」です。
簡単に言うと「PMP試験はPMIが理想としているPM像に沿って回答すべし。実際の現場では実現し得ない選択肢でも、PMIが理想とする選択肢がPMPでの正解」というものです。これは前述のStudy Hallで問題を解いていくと身に着ますし、必ず身に着ける必要があります。
これも前述の「Reddit」で多くの方が最新の考え方を投稿してくれています。