具体例を交えSalesforce拡張ドメインの影響範囲を検証してみる

拡張ドメイン メジャーアップデート/資格試験

Salesforceでは2022年3月に多要素認証(MFA)の有効化が必要となりましたが、この拡張ドメイン有効化も同じくらいのインパクトがある重要事項となりそうです。

拡張ドメインとは

有効化されることでSalesforce組織すべてのURLに”私のドメイン”の名前が含まれるよう、Salesforceの多くのURLが変更されます。

詳しくは公式サイトであるサクセスナビをご覧ください。

 

 

適用までのロードマップ

・本番組織:Winter’24(2023年10月)には強制適用されると無効化状態には戻せないことが予定されています。

Sandboxと無料の組織:Winter’23(2022年10月)が予定されています。ただし私のドメイン設定の[Spring ’23 まで拡張ドメインの適用を延長します]設定を有効にしておくことでSpring’23(2023年2月)まで延期も可能です。

変更されるURLの範囲

サクセスナビでも主要なものは記載されていますが、対象の全URLはこちらの公式ドキュメントに記載があります。

ExperienceCloudサイト、Visualforceページなどよく使われるものも含まれるため影響反映は必ず確認しましょう。

 

 

手動で拡張ドメインを有効化する方法

上記の「適用までのロードマップ」の通り放っておいても自動有効化されますが、その前に手動有効化することも可能です。影響範囲があるか確認するためにもまずSandboxで手動有効化し検証が推奨されます。

手動有効化は下記のように”私のドメインの設定画面”で「拡張ドメインを使用します」にチェックを付けて保存するだけです。

拡張ドメインを使用します

保存すると下記のように”プロビジョニングが進行中”となり、数分で”Salesforce の [私のドメイン] をリリースする準備が整いました”というメールが届きます。

プロビジョニングが進行中

その後上記のSalesforce設定画面を再読み込みすると下記の画面となるため、”新しいドメインをリリース”することで作業完了となります。

新しいドメインをリリース

 

 

ここからは私のドメインが「frgtest2-dev-ed」である検証組織で、URL変更がある主要な範囲を実際の変更前/変更後キャプチャで見ていきましょう。

あくまで主要範囲なので、この他にも影響範囲があるか確認は必要です。

私のドメイン

拡張ドメインなし

まず拡張ドメインなしの状態では「frgtest2-dev-ed」となっています。

拡張ドメインなし:私のドメイン

拡張ドメインあり

私のドメイン自体に変更はありませんが、”拡張ドメインあり”という表記に代わりました。

拡張ドメインあり:私のドメイン

 

 

組織のデジタルエクスペリエンスのデフォルトドメイン

拡張ドメインなし

いわゆるExperienceCloud(旧CommunityCloud)です。

まず拡張ドメインなしの状態では「adawa-developer-edition.ap15.force.com」となっています。

拡張ドメインなし:デジタルエクスペリエンス
拡張ドメインあり

私のドメインで設定していた文字が反映され「frgtest2-dev-ed.my.site.com」となりました。今までの「adawa-developer-edition.ap15.force.com」から大きく変更されました。

拡張ドメインあり:デジタルエクスペリエンス

 

 

Visualforceページ

拡張ドメインなし

まず拡張ドメインなしの状態では以前作成した「LINE_LIFE_APP」というVisualforceページのURLは「frgtest2-dev-ed–c.visualforce.com」となっています。

拡張ドメインなし:VFページ
拡張ドメインあり

「frgtest2-dev-ed–c.vf.force.com」に変更されました。”visualforce”が”vf.force”に変更となっています。

Visualforceページをハードコーディングで記載している箇所があれば影響がありそうです。

拡張ドメインあり:VFページ

 

 

Experience Cloud サイトのログインURL

拡張ドメインなし

まず拡張ドメインなしの状態では「adawa-developer-edition.ap15.force.com/Customer/s/login」でした。

拡張ドメインなし:ExperienceCloudログイン

拡張ドメインあり

「https://frgtest2-dev-ed.my.site.com/Customer/s/login」に変更されました。「組織のデジタルエクスペリエンスのデフォルトドメイン」が変更されたため、連動してログインURLも私のドメインである”frgtest2-dev-ed”が反映されています。

後述する「今までのURLはもう使えないのか」の通り、約1年は今までのURLが使えますがサイトのログインURL変更は外部ユーザに大きな影響がありそうです。

拡張ドメインあり:ExperienceCloudログイン

 

 

エクスペリエンスビルダー

拡張ドメインなし

まず拡張ドメインなしの状態では「frgtest2-dev-ed.builder.salesforce-communities.com」でした。

拡張ドメインなし:エクスペリエンスビルダー
拡張ドメインあり

「frgtest2-dev-ed.builder.salesforce-experience.com」に変更されました。”salesforce-communities”が”salesforce-experience”に変更されています。

拡張ドメインあり:エクスペリエンスビルダー

 

 

今までのURLはもう使えないのか

期間限定ですが、今までのURLも並行して使用を続けることも可能です。こちらの公式ドキュメントに記載がありますがWinter’25以降はリダイレクトも停止予定です。。

ただし下記の設定をしておく必要があります。

・私のドメインのリダイレクト:”以前の [私のドメイン] の URL”を有効化しておく

・Experience Cloudサイトのリダイレクト:”前の force.com サイト URL”を有効化しておく

リダイレクト

 

 

 

まとめ

ExperienceCloudを使用している組織は影響が大きいと言えます。また、それ以外にもVisualforceページやサードパーティアプリケーションからのデータアクセスに影響する可能性がありそうです。

「適用までのロードマップ」で確認した自動有効化タイミングの前であれば一度有効化後に無効化も可能ということなので、自動有効化タイミング前に必ず影響範囲を検証しておきしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました