【革命】フローの”変換”要素でループを使わず積上集計を実現

【革命】フローの"変換"要素でループを使わず積上集計を実現する フロー/LWC
【革命】フローの"変換"要素でループを使わず積上集計を実現する

2023年10月のWinter’24で新登場した”変換”要素ですが、使用している人は未だ少ないのではないでしょうか。

“変換”要素が登場する前でもコレクション変数の「要素数」自体はループを使わずに可能でした。下記で紹介している演算子「次の数と一致する」を使用する方法でした。


一方、コレクション変数内の各レコードが持つ金額や数値の合計値はループを使用するしかありませんでした。

“変換”要素登場以降、金額や数値の合計値もループを使用せず取得が可能になっています。コレクション変数内のレコード数が多いとループの負荷も高まるので、是非”変換”要素を使っていきましょう。

コレクション変数の準備

検証準備として、まずはコレクション変数で準備します。

【開始要素】取引先責任者の作成編集をトリガーにフロー起動する


【レコードを取得要素】親である取引先が持っている全取引先責任者レコードをコレクションで取得する


ここまでで1取引先に紐づく全取引先責任者レコードをコレクション変数で取得できました。

取引先、取引先責任者に項目を作成

検証用にカスタム項目を作成します。

・取引先
取引先責任者数(フローの変換で取得):取引先責任者のレコード数を自動反映する用
取引先責任者の金額合計数(フローの変換で取得):取引先責任者の「金額」の合計を自動反映する用


・取引先責任者
金額:取引先の「取引先責任者の金額合計数(フローの変換で取得)」項目へ積上げする用


検証で使用するデータ

・取引先:Grand Hotels & Resorts Ltd
・取引先責任者1:Barr Tim :金額に100を入力済み
・取引先責任者2:Bond John:金額に1000を入力済み


コレクション変数の要素数を”変換”要素のみでカウントする

冒頭で紹介した通り、演算子「次の数と一致する」を使用すればループ無しでも要素数を取得できます。ここでは別の方法として”変換”要素で要素数を取得してみます。

変換(ベータ)要素で
・ソースデータ:先ほど取得した取引先責任者コレクションを指定
・対象データ:単一レコードとして取引先を指定


・ソースデータのコレクション名をクリック


・対象データのCoatnct_Number__c(取引先責任者数(フローの変換で取得)項目をクリック


すると下記画面に遷移します。


計数(=レコード数の集計) or 合計(何らかの数値や金額の合計)のどちらかを選びます。


今回はレコード数を集計するので計数にしました。その後画面左上の「←変換を追加」で前の画面に戻ります。


取引先責任者コレクションを取引先のContact_number__cへ紐づけできました。
これで変換要素=単一取引先レコード変数となり、その単一取引先レコードのContact_number__cに取引先責任者コレクションの要素数が格納できています。



最後に単一取引先レコードのContact_number__cの値を、フローをトリガーした取引先責任者の親である「Grand Hotels & Resorts Ltd」に反映して完了です。



フローの全体像は下記となりました。



取引先責任者①「Barr Tim」レコードを編集保存し、フローを動かしてみます。
取引先責任者レコード数の”2″が無事反映されていました。


コレクション変数の数値積上げを”変換”要素のみでカウントする

次に、今まではループを使うしかなかった数値の積上げを変換要素1つで簡単に実現できることを見てみます。
先ほど使用したフローをベースに、変換要素を編集します。
取引先責任者コレクション変数をクリック、取引先のAmount_sum__c(金額)項目をクリックします。


取引先責任者のAmount__cを集計するため、下記を指定します。


取引先責任者コレクション変数と取引先のAmount_sum__c紐づけも完了しました。


先ほどの更新要素に取引先の更新対象でAmount_sum__c項目を追加し、変換要素で取得した金額合計値を取引先「Grand Hotels & Resorts Ltd」へ反映して完成です。


変換要素へ手を加えたただけなので、完成形の見た目は先ほどと変わらず下記になります。



取引先責任者①「Barr Tim」レコードを編集保存し、フローを動かしてみます。
取引先責任者の「金額」はあらかじめ金額が入力されていたので、取引先へ無事反映合計値を反映できました。

・取引先責任者1:Barr Tim :金額に100を入力済み
・取引先責任者2:Bond John:金額に1000を入力済み


ループを使わずに数値や金額を”変換”要素1つで集計できるのは大きな進化です。Spring’24時点でベータですが、GAになる日が待ち遠しいです。

タイトルとURLをコピーしました