フロー:「変換」要素でコレクションの結合が可能に

Spring’25:フローの変換要素でレコードコレクションの結合が可能に フロー/LWC
Spring’25:フローの変換要素でレコードコレクションの結合が可能に

Spring’25でフローの変換要素が更に進化します。
2つのレコードコレクション変数を結合して1つのレコードコレクションを作成することが出来るようになりました。

SQLでいうJOINに当たる機能です。

いままではループを駆使して行っていた処理が、今後は変換要素にてワンタッチで実現できます。

変換要素の何が進化した?

これまでもメジャーアップデートの度に進化してきた変換要素ですが、今回のSalesforce Spring25でも新機能が追加されました。

2つのレコードコレクション変数を結合し、1つのレコードコレクション変数を作成することが出来るようになりました。

検証シナリオ

検証シナリオ

①売上、請求という2つのカスタムオブジェクトを用意
②両オブジェクトとも取引先の子オブジェクト
③売上、請求の両レコードを持つ取引先だけを抽出したい


■用意した売上レコード
A法律事務所、グランドホテル、ワオン商事 という3取引先分の売上レコード



■用意した請求レコード
グラントホテル、University of Arizona という3取引先分の請求レコード


■想定される結果
売上、請求の両レコードを持つのはグラントホテルだけのため、
最終的にはグラントホテル1社が抽出されれば検証OKとなる。

フローの作成

それでは実際にフローを作成していきます。

1.全売上レコードのコレクション取得


2.全請求レコードのコレクション取得


3.変換要素でコレクション結合

まずは下記の設定をします。
・画面左半分の”ソースデータ”で+ボタンから2つのコレクション変数を追加
・画面右半分の”対象データ”で取引先オブジェクトのレコードコレクション変数を用意
・ソースデータと対象データをそれぞれ紐付ける



次に、変換要素内の次の画面では下記を指定していきます。
1.2つのコレクション変数の結合キー
2.結合元のコレクションから取得する項目
3.その取得した項目を、結合結果の取引先コレクション変数のどのへ項目対応付けるかの指定


1.結合キー
今回は両オブジェクトの取引先参照項目をキーとして指定します。


2.ソースコレクションから結合する項目を選択
結合元のコレクションから取得し、新たに作成する取引先コレクションへ渡す項目を指定します。
今回は取引先IDを取得したいので、売上と請求のどちらの取引先からでも変わりありません。
売上の方の取引先参照項目を指定しておきます。


3.結合項目の対応付け
2で取得した取引先IDを、結合結果の取引先コレクション変数のどのへ項目対応付けるかの指定をします。
最終的に作成される取引先コレクションでは取引先名を取得したいので、
売上の取引先IDを取引先コレクションの取引先IDへ対応付けます。



最終的に変換要素は下記の設定になりました。



最後にフローへ画面要素を追加し、その中にデータテーブルを作成します。
ソースコレクションは先ほど変換要素で取得した取引先コレクション変数、
データテーブルへの表示項目は取引先名、取引先IDとします。



フローの完成形は下記になります。


作成したフローのデバッグとまとめ

早速デバッグしてみます。
処理は正常終了し、データテーブルは下記の表示になりました。


売上レコード、請求レコードを両方持つのはグラントホテルだけだったので、
想定通りグラントホテルのみの取得に成功はしましたが、取引先IDのみが取得出来ています。

取引先名は表示されていません。
変換要素の「結合項目の対応付け」で、売上レコードの取引先IDを結合結果の取引先IDへ対応付けしか行っていないため取引先名はブランクとなっています。

このことから分かるように、変換要素の結合結果のレコードコレクション変数では対応付けした項目以外はブランクとなる点は注意が必要です。

今回の例では下記ABいずれかの対応を付け加えることで、取引先名を表示できるようになります。
A:事前に売上レコード、または請求レコードで数式にて取引先名を事前に作成し「結合項目の対応付け」に追加する
B:変換要素で結合した後、その取引先IDをもとに取引先名を取得する


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