Salesforce Spring’25の主な新機能を確認してみる

Salesforce Spring’25の主な新機能を確認してみる メジャーアップデート/資格試験
Salesforce Spring’25の主な新機能を確認してみる

Spring’25は2025年2月にリリース予定です。先日取得したプレリリース環境で主な新機能挙動を確認してみます

Spring25は下記のスケジュールでリリースまで向かうようです。
新情報が出次第、追記予定です。

・2024/12/19:プレリリース組織のサインアップ開始

・2024/12/25:英語版リリースノートの公開

・2025/1/3:Sandboxプレビューインスタンスで有効化Sandbox準備期限

・2025/1/5:Sandboxプレビューの開始

・2025/2/16:本番リリース

  1. 画面フロー:入力検証の判定タイミングがリアルタイムに
  2. フロー:添付ファイル付きのメールが送信可能に
  3. 画面フロー:Progress Indicator(進捗バー)が使用可能に
  4. 画面フロー:自動起動フロー呼び出しが”ボタンクリックせず”可能に(ベータ版)
  5. フロー:変換要素でコレクション結合が可能に
  6. フロー:フローのバージョンが簡単に切り替え可能に
  7. フロー:「レコードを取得」要素で取得レコード数の制限が可能に
  8. フロー:キーボードのショートカットが使用可能に
  9. フロー:”自動化”アプリの進化
  10. リストビュー:複数列での並び替えが可能に(正式リリース)
  11. 関連リスト:複数列での並び替えが可能に
  12. 拡張権限セットリストビューの登場
  13. 権限:”すべての項目の表示”で全項目への参照権限一律付与”が可能に
  14. 権限セット:概要からユーザー権限とカスタム権限を削除する
  15. レポート:レポート配信時の送信元メールアドレスが指定可能に(ベータ版)
  16. レポート:拡張カスタムレポートタイプが正式リリース
  17. ダッシュボード:一部のウィジェットのみ更新する事が可能に (ベータ版)
  18. 活動オブジェクト:カスタム項目の作成上限数が100から300に拡張
  19. 拡張ロールリストビューの登場
  20. 拡張ドメインのリダイレクト廃止が延期に

画面フロー:入力検証の判定タイミングがリアルタイムに

画面フローの入力要素では、指定条件に合致しない場合に入力エラーとする「入力を検証」があります。

今まで:値入力した後に「次へ」ボタンを押すと判定が走る
Spring25以降:値入力するとすぐ判定が走る
というアップデートが入りました。

オブジェクトマネージャーで作成する通常の「入力規則」でもレコード保存ボタンを押した後に判定が走るという旧型挙動の為、
今回の新機能は「入力規則」と差別化でもでき新たな活用シーンを感じさせてくれます。


フロー:添付ファイル付きのメールが送信可能に

今回のSpring25、目玉機能の1つです。

フローの「メールを送信」アクションに”添付ファイル ID”が新登場です。
今まではメール送信時にファイル添付できませんでしたが、今回のSpring’25以降(APIバージョン63以降)ではフローで送信するメールにファイル添付が可能になります。

添付したいファイルの”コンテンツバージョンID”を「カンマ区切りのテキスト」で指定する形の為、複数ファイルを添付できるようです。




基本的な使い方、複数添付ファイル対応などを別記事で検証しました。

[徹底検証]フローでのメール送信でファイル添付が可能に|Dyson
メール送信先の上限が5件から拡張、CCやBCCが使用できるようになった、などメジャーアップデートの毎に進化しているSalesforceフローでのメール送信アクション。 今回2025年2月リリースのSalesforce Spring25では、ついにファイル添付も可能になりました。 今までフローでのメール送信...



画面フロー:Progress Indicator(進捗バー)が使用可能に

画面フローで進捗バーが標準で使用可能になります。

いままではLWCなどで作成したコンポーネントが画面フローに差し込む必要がありましたが、今後は必要ありません。


詳しくは別記事で検証しました。



画面フロー:自動起動フロー呼び出しが”ボタンクリックせず”可能に(ベータ版)

2024年6月リリースのSummer’24では、画面フロー内にボタンを配置することで別フロー(自動起動フロー)が呼び出し可能になっていました。


今回のWinter’25ではベータ版ながらボタンすら押さずに別フロー(自動起動フロー)の呼び出しが可能になりました。

画面要素を配置すると画面要素自体のプロパティに「Select Screen Action」が新設されています。


呼び出す自動起動フローを指定できます。呼び出すフローを1つ指定した後でも更に呼び出す別フローを追加できました。
恐らく上限はあるでしょうが複数の別フローを呼び出しできます。


呼び出す別フローを指定した後にそのアクションへAPI参照名を入力します。
その別フローへ入力値を指定したい場合はここで指定可能です。
この別フローが実行された結果出力される値は自動で出力リソースとして保存されます。


出力リソースは画面上で使用できるため、例えば下記のようにテキストへ表示も可能です。
つまり下記のようなことが出来ますね。
 1.フロー内で該当画面要素が実行される
 2.同時に自動で別フローが起動
 3.その出力結果を1の同一画面要素で使用



フロー:変換要素でコレクション結合が可能に

メジャーアップデートの度に進化してきた「変換」要素ですが、今回も大きな進化します。

2つのレコードコレクション変数を結合し、新たなレコードコレクションを生成することができるようになりました。



詳しい挙動は下記の別記事で検証しました。



フロー:フローのバージョンが簡単に切り替え可能に

1つ前のバージョンを見たい、どのバージョンが有効になっているか確認したシーンに朗報です。
フローのキャンパス内でバージョン一覧を表示、および有効化中のバージョンが簡単に確認できるようになりました。



もちろん、いままで通り[詳細とバージョンの詳細]でもバージョン一覧、有効化フローは確認できます。



フロー:「レコードを取得」要素で取得レコード数の制限が可能に

「レコードを取得」要素で取得するレコード数は、今では[最初のレコードのみ][すべてのレコード]の2択でした。

今回のSpring’25以降(APIバージョン63以降)では、[すべてのレコード、指定した制限まで]が新登場です。
SQLでいうLimitですね。



取得件数は2~20,000で指定可能です。取得条件に合致するレコードが1000件あるが実際取得するのは2件のみ、といったことが可能になりました。
そういった場合はレコードを並び替えで任意の項目で並び替えた上で、上位2件のみ取得するようにすれば良さそうです。



取得件数はリソースでも指定可能なので、動的にレコード取得件数を指定するなどで応用が効きそうです。



フロー:キーボードのショートカットが使用可能に

フロービルダーでは従来から下記のように「もとに戻す」「やり直し」というボタンはありましたが、
これがショートカットで簡単に実行できるようになりました。

今後は下記のショートカットで実行可能です。(Cntl,CmdはWindowsとMacの違い)
・もとに戻す:Cntl or Cmd + z
・やり直し :Cntl or Cmd + y

更にフロー保存するためのコマンドとして「Shift + Cntl or Cmd + s」があるようですが、
24年12月時点のプレリリース環境では反応がなく使用できませんでした。



フロー:”自動化”アプリの進化

”自動化”アプリケーションも進化します。

①ナビゲーション項目に[Monitor]が追加されました。
フローインタビューをアプリ上から確認可能になります。


従来通り設定画面側からも同様の画面を確認可能です。



②フロー作成時のホーム画面がリニューアル
”自動化”アプリケーションからフローを新規作成する際、ホーム画面がイマドキなUIになっています。



従来通り設定画面から画面を開く場合は、今まで通りの見慣れたUIのままになっているようです。



リストビュー:複数列での並び替えが可能に(正式リリース)

前回のWinter25ではベータ版リリースされた機能が、今回のSpring25では正式リリースされました。

使い方や動きは以前下記の別記事で検証しています。


関連リスト:複数列での並び替えが可能に

上記で記載したリストビューでの複数列並び替えの機能と同様に、
関連リストでも複数列の並び替えが出来るようになっています。



拡張権限セットリストビューの登場

直近のメジャーアップデートでは続々と設定画面が拡張化(Lightningっぽい画面化)が進んでいます。
今回は権限セット画面も拡張されています。

[ユーザ管理設定] – [Enhanced Permission Set List View]を有効化する必要があります。



権限:”すべての項目の表示”で全項目への参照権限一律付与”が可能に

項目レベルセキュリティはプロファイル、または権限セットでコントロールします。

項目レベルセキュリティの付与に”すべての項目の表示”が新登場です。



今までの項目レベルセキュリティは、各項目単位に1つずつ付与していましたが、
”すべての項目の表示”にチェックを付けることで「オブジェクト内の全項目へ常に参照権限付与」が可能になります。

ポイントとしては”すべての項目の表示”にチェックを付けた後に新規作成した項目にも参照権付与が反映される点です。
項目作成時にプロファイルへ参照権を付与しなくても、自動で参照権が付与されるため漏れが出ません。項目を作成するたびに参照権を付与したか気にする必要はありません。

今回登場したのは”すべての項目の表示”での全項目への参照権付与のみのため、全項目への編集権付与は未実装になります。
恐らくセキュリティ的に編集権の全項目付与は不都合があることが想定されるからでしょうか。

詳しい挙動を別記事て検証しました。




権限セット:概要からユーザー権限とカスタム権限を削除する

権限セットのユーザ権限、カスタム権限では概要から権限の削除が可能になりました。
Spring25より前では概要からは付与されている権限の確認のみ可能でした。


上記のように「削除」ボタンが新登場しています。


レポート:レポート配信時の送信元メールアドレスが指定可能に(ベータ版)

今まではレポートは配信設定をしたSalesforceユーザー自身のメールアドレスを使用してメールが送信されていました。

今後はChatter通知のように、送信元メールアドレスを指定できるようになります。

[設定] – [レポートおよびダッシュボードの設定]から、
[レポートのサブスクリプションに組織全体のメールアドレスを有効化 (ベータ)]を選択し、
送信元に使用するメールアドレスを選択します。


レポート:拡張カスタムレポートタイプが正式リリース

前回のメジャーアップデートであるWinter25でベータ版だった拡張カスタムレポートタイプが、今回正式リリースされました。

動作確認は下記の記事で検証しています。



ダッシュボード:一部のウィジェットのみ更新する事が可能に (ベータ版)

今まではダッシュボード全体の更新しか出来ませんでした。
今後は必要なダッシュボードウィジェットのみを更新することも出来ます。

[設定] – [レポートおよびダッシュボードの設定]から、
[ユーザーがダッシュボードの個々のウィジェットを更新できるようにする (ベータ)]から有効化出来ます。

有効化あとはダッシュボード上で各ウィジェットの更新アイコンウィジェット更新アイコンをクリックすることで使用できます。



活動オブジェクト:カスタム項目の作成上限数が100から300に拡張

Salesforceの各上限はテクニカルサポートへ申請することで上限拡張が可能なものがあります。

ただし活動オブジェクトのカスタム項目の作成上限は100個でした。
活動のカスタム項目は行動、Todoオブジェクトで使用されるため100個では足りない環境は多かったのではないでしょうか、

今後は「アクティビティ数が4億件未満のSalesforce 組織」という前提ですが、300個まで作成が可能となります。


拡張ロールリストビューの登場

先ほどの権限セットに続き、ロール画面も拡張化が可能になりました。
[ユーザ管理設定] – [Enhanced Role List View]を有効化する必要があります。



拡張ドメインのリダイレクト廃止が延期に

2023年に強制適用された拡張ドメインですが、適用前のURL状態でも自動リダイレクト設定が可能でした。
今回のSpring’25でこのリダイレクトも廃止予定でしたが、廃止が延期になりました。

・元の予定:Spring’25 (2025/2)で停止
・延期後の予定:Spring’26 (2026/10)で停止


そもそも拡張ドメインとは、という方は別記事をご覧ください。


タイトルとURLをコピーしました