指示文を書くことで、Salesforceのフローが自動生成される時代が来ました。
Einstein for Flow、Einstein for フロー、Einsteinを使用したフローの作成、などのワードで発表されました。
2024年8月以降はたとえば下記のような指示文(プロンプト)で、Einsteinは意味を理解してドラフトフローを自動作成してくれます。
・取引先が更新されたときに開始し、取引先の電話番号をすべての関連取引先責任者にコピーするフローを作成して。
・新しい取引先責任者が取引先に追加されるたびにメール通知を取引先所有者に送信するフローを作成して。
事前準備、使用できる環境
●有効化
2024年8月時点ではベータ版となっています。
[フローのEinstein(ベータ)]からまずは有効化しておきます。下記は有効化済み状態の表示です。
●使用できる環境
2024年8月現在、すべての環境で使用できる訳ではありません。
下記のような特別なライセンスやアドオンが必要になります。
広く使われているノーマルのSales Cloud Enterprise Edition やLightning Platform Starterではまだ使用はできません。
・すべての Einstein 1 Edition
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=release-notes.rn_automate_flow_builder_get_help_building_flows_with_einstein_for_flow.htm&release=250&type=5
・Enterprise Edition、Performance Edition、および Unlimited Edition (Einstein for Sales、Einstein for Service、または Einstein for Platform アドオン)
・Einstein 生成 AI は Lightning Experience で使用できます。
自動作成できるフロー種別
2024年8月時点では下記種別のフローを自動生成できます。
・画面フロー
・レコードトリガーフロー
・スケジュールトリガーフロー
・自動起動フロー
Einsteinでフローを自動生成してみる
それでは実際に自動生成してみましょう。
前述の事前有効化を済ました状態であれば、フロー新規作成時に[Einsteinによる作成のサポート]が選べるようになります。
次の画面に下記のように指示文(プロンプト)の入力画面がありますので、作成したいフローを文章で記入していきます。
[サンプル手順の使用開始]が折りたたまれて隠れているので、アコーディオンを開くと下記のようにサンプル文章が表示されます。
まずはこの文章をコピペして、どういったフローが自動生成されるのか試してみるのもありです。
ここでは下記文書のサンプルを使って、作成開始してみます。
・取引先が更新されたときに開始し、取引先の電話番号をすべての関連取引先責任者にコピーするフローを作成します。
10秒ほど待ちます。
、、、すると下記のメッセージが表示され、フロー作成が失敗しました。
・提供された手順ではフローを作成できませんでした。手順の表現を変更して、もう一度お試しください。
どうやら2024年8月時点では日本語での指示文は受け付けていないようです。
気を取り直して英語で直に指示文を入力してみます。
・英語:Create a flow that starts when an account is updated and copies the account’s phone number to all associated contacts.
=取引先が更新されたときに開始し、取引先の電話番号をすべての関連取引先責任者にコピーするフローを作成します。 の意味
10秒ほど待つと無事フローが作成されました。
・画面左上に「このフローは生成AIによって作成されました」の表示がある
・画面右下にやり直しが出来るボタンが表示される
という形でした。
自動生成されたフローの正確性は
先ほど自動生成したフローには下記3点の指示が含まれていました。
それぞれ正確にフローへ反映されているでしょうか。
1.取引先が更新されたときに開始
2.取引先の電話番号を
3.すべての関連取引先責任者にコピーする
結論として、3点すべてで指示通りフロー生成が出来ていました。
1.取引先が更新されたときに開始
開始要素を見てみると、指示通り「レコードが更新された」時のみの起動指定が出来ています。
ちなみトリガーは[アクションと関連レコード]になっていました。
2.取引先の電話番号を
3.すべての関連取引先責任者にコピーする
この2点はどうでしょうか。
下記のように、指示通りトリガーである取引先の「電話番号」を各取引先責任者へ反映できる形になっています。
あくまでこれはドラフトですので、人の手で例えば下記のように設定を加えることも可能です。
まとめ
・限られたライセンスやオプションでしかまだ使用は出来ない
・英語での指示文(プロンプト)でしか使用できない
・あくまで「ドラフト」を作成してくれるため、自動生成後に人が修正を加えることも可能
・思ったより正確に、適切な機能を使い自動生成してくれる
というものでした。
もちろん、最後は人の目で見て確認する必要がありますがすでに実用的な域に達しています。
「実現したい自動化」と「フローでの実現方法」を手っ取り早く知ることが出来るため、フロー初学者にとっても有益な機能になりそうです。
関連記事
生成AIシリーズに関連して下記の記事もぜひご覧ください。
検索タグ
#Einstein でのドラフトフローの作成 (ベータ)
#Einstein を使用したフローの作成
#Einstein for Flow